乳がん手術と乳房再建

乳房再建を行うタイミングにもいくつかパターンがある

【一次再建】

乳がん手術と同時に行う

★一次一期再建

乳がん切除と同時にシリコンインプランとを挿入し、1回の手術で完成

 

★一次二期再建

乳がん切除と同時に組織拡張期(ティッシュエキスパンダー)※風船※を入れ、術後から約6ヶ月程度の時間をかけて膨らませ、その後シリコンインプランとに入れ替え手術を受け完成

 

●メリット

  • 手術直後から乳房の喪失感がない
  • 入院期間が短い
  • 一次二期再建では、エキスパンダー挿入中に再建方法を考える時間がある

 

▲デメリット

  • 一次一期再建では、再建方法を考える時間がなく、すべての手術が終わってしまう
  • 一次一期再建は形成外科医の高度な技術が必要となるため、対応してくれる病院が少ない

 

【二次再建】

★二次一期再建

乳がん切除手術の後日、1回の手術で再建完成

 

★二次二次再建

乳がん切除手術から約6ヶ月経過してから、エキスパンダーを挿入し、更に約6ヶ月後にシリコンインプラントを挿入する。

 

●メリット

  • 再建についてはいとまず置いておいて、乳がんの治療に集中できる
  • 再建について情報収集や再建方法を良く考える時間がある
  • 乳がん手術と別の施設(例えば乳房再建を得意としている形成外科クリニックなど)で再建を行うことができる

 

▲デメリット

  • 手術の回数が多い
  • 入院手術費用が増える
  • 再建が完成するまでに1年半から2年近く、時間が必要になる
  • エキスパンダーを挿入せずに再建を行う、二次一期再建は形成外科医の高度な技術が必要となり、対応してくれる病院が少ない

 

 

乳房再建には大きく2つの方法がある

★自家組織再建

腹部または背部から脂肪組織を乳房に移植する方法。インプラントのような人工物を使用したくない方に適しているが、乳房だけでなく腹部または背部も大きく切除をするため、乳房以外の痛みを伴い大きく傷も残る。そのため、この方法はやっていない病院が多い。

ただし、再建した胸は自分自身の脂肪を使用しているため、柔らかい。

 

 

★インプラント再建

シリコン製の人工乳房(インプラント)を入れる方法。胸と皮膚の筋肉を伸ばすためにティッシュエキスパンダーという皮膚拡張器を使用し、その後インプランと入れ替える。

人工物のため、やや硬く冷たく感じることがあるが、手術時間や入院期間が短く済み、痛みも乳房部分のみとなる。ただし、放射線治療をうけたことがある方には不向きである。

 

 

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